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甲南経済学論集に論文が掲載されました

本研究所のメンバー(林亮輔)が執筆した論文「医療需要の決定要因に関する実証分析」が『甲南経済学論集』第63巻第3・4号に掲載されました。

【要約】

医師や病床といった医療資源の適正な供給を実現するためには,高齢化の進行とそれにともなう疾病構造の変化等を踏まえた医療需要予測が不可欠である。これまでにも数多くの医療需要予測が行われているが,既存研究でみられるような「受療率が将来において不変である」という仮定は,予測の精度を低下させ,このような予測に沿った医療供給体制の再整備は,誤った結果をもたらす可能性がある。そこで本稿では入院受療率に焦点を当て,入院受療率の決定要因候補として年齢構成・生活環境・就労状況・健康意識といった需要面の要因や,病床数・医師数といった供給面の要因をあげ,入院受療率の決定要因について分析した。その結果,①男女間で入院受療率に影響を及ぼす要因が異なること,②就労状況が入院受療率に影響していること,③医師数や病床数といった供給面が入院受療率を高めていることなどが明らかになった。