戦略作り支援

3つの支援による戦略作り

地域課題を解決ために、主に3つの支援から戦略作りを行います。

支援1

地域を取り巻く社会経済環境とその環境の中で地域が置かれている状況について正確に把握・評価することで、取り組むべき地域課題を明らかにする。

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支援2

地域を取り巻く社会経済環境とその環境の中で地域が置かれている状況について正確に把握・評価することで、取り組むべき地域課題を明らかにする。

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支援3

戦略同士がその効果を打ち消し合わないように、多面的な視点を持ち、戦略間の相互作用を意識しながら、戦略を立てる。

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支援1
SWOT分析を用いて「取り組むべき課題」を明らかにする

SWOT分析は、地域が置かれている状況を以下の4つの視点から整理・分析する手法です。

地域の「強み」「弱み」「機会」「脅威」を判断するための客観的データを収集・分析するとともに、競合地域と比較することで「強み」なのか「弱み」なのかを明らかにしていきます。この作業を通じて、今後取り組むべき地域課題が明らかになります。

実績例:A市におけるビジネス環境についての強み・弱みに関する調査

SWOT分析を用いてA市のビジネス環境についての地域課題を明らかにしました。
その際、1)企業の成長理論を踏まえることでビジネス環境において重要な要素を漏れなく汲み取り、2)各種統計データを用いて競合地域と比較することで、相対的に地域の強みと弱みをとらえ、A市が「強化すべき強み」や「改善すべき弱み」を明らかにしました。

  • 短期大学数、大学数が多い。
  • 百貨店、飲食店が多く買い物環境が整っている。
  • 空港、港湾、新幹線駅までの時間距離が短く、交通インフラが整っている。 etc.
  • 着工新設貸家、着工新設分譲住宅の住宅供給が少なく、住環境が整っていない。
  • 学術研究、専門・技術サービス業の集積度が低い。
  • サービス業の集積度が低い。 etc.
  • 円安により外国人旅行者にとって日本旅行は割安に。
  • 労働力率の上昇。
  • 人材のリスキリングに力を入れる企業の増加。 etc.
  • 世界的な経済成長率の低下。
  • 諸外国に比べて政府による研究開発支援の比率が極めて低い。
  • 円安により国内企業物価が上昇。
  • 慎重な設備投資スタンスが継続。
  • 外国人による労働力の確保が困難に。 etc.

クロスSWOT分析:「強み×機会」からは、強みを活かして機会を勝ち取るための「積極的戦略」を明らかにするなど、地域が今後採るべき戦略の方向性を導き出します

支援2 
課題の発生原因を追及し、「戦略の設計図」を作成する

STEP1 課題に対して原因結果ツリーを作成し、課題の発生原因を追及します。

問題の発生原因を整理するフレームワークである原因結果ツリーを作成し、課題を引き起こしている原因を追究します。

世の中の問題(全体)は多くの小さな問題(要素)によって構成されているため、コア問題が生じた原因について、全体を細かな要素に分解していきます。コア問題を要素に分解していく際、前後の要素の間に因果関係がなければ、下位の要素を解決したとしても上位の要素が改善されない可能性があります。可能な限りエビデンスを収集し、因果関係の有無を確認します。

原因結果ツリーの例(市内で就業する若者が減少している)


STEP2 原因結果ツリーを目標ツリーに転換し、「戦略の設計図」を作成します。

コア問題を引き起こしている原因が深く追求できれば、原因結果ツリーを目標ツリーへと転換します。

目標ツリーは、地域課題の解決を最上位の目標に据えており、下位の目標(図の目標3)が達成されれば、上位の目標(図の目標1)の達成につながるというロジックになっていることから、目標を順番に達成することで、地域課題の解決につながります。
目標ツリーができれば、ツリーにしたがってKPI(Key Performance Indicator、重要業績評価指標)と目標値を設定することで進捗状況を把握することができます。

目標ツリーの例(市内で就業する若者が減少している)

実績例:A市において若者の地元就職を促進するためのロジカルフレームワーク

「市内で就業する若者を増やす」ことを最上位の目標に据えたロジックツリーを作成し、ロジカルフレームワークを作成しました。
1)市内で就業する若者を増やすには、「地元企業の情報発信能力を強める」ための施策(イベント開催)が重要であるとし、
2)施策から目標までの各段階にKPIを設定することで、施策の進捗状況を確認しながら課題解決につなげることが可能になりました。

支援3

BSC(バランスト・スコアカード)を用いて
「戦略間の相互作用」を意識した戦略を展開する

社会経済構造が複雑に入り組んでいる現在、複数の施策によって地域課題の解決を図ることが求められています。しかし、施策を総花的・網羅的に羅列した場合、施策同士が相乗効果を生む可能性がある一方で、施策同士が効果を打ち消し合う可能性もあることから、施策効果が十分に発揮されない恐れがあります。多面的・包括的な視点を持ちながら戦略を立てる「バランスト・スコアカード(BSC:Balanced Scorecard)」を活用することで、施策間の相互作用を意識した戦略の展開が可能になります。

実績例:図書館経営に適用可能なバランスト・スコアカードの開発に関する研究

予算額や職員数が減少されるなど利用可能な資源が限られる中、子どもの読書離れに歯止めをかけるための役割を任されるなど、経営環境が厳しさを増す図書館を取り上げ、民間企業のマネジメント・ツールとして開発されたバランスト・スコアカードを、図書館の経営戦略の策定に適用できるよう開発を進めました。

戦略目標:利用者と潜在的利用者の希望を優先してサービスの充実を図ります。

戦略:職員・設備に関するアンケートの実施等

戦略目標:職員の一般業務と専門業務の能力向上を図ります。

戦略:一般業務・専門業務の研修の実施等

戦略目標:未就学児童の読みたい知りたい気持ちを高めます。

戦略:未就学児童向けの集会の開催(ストーリーテリングetc.)等

戦略目標:予算に応じて職員数や施設・設備の調整(増加・減少)を図ります。

戦略:職員数の調整等